ネット界隈で銀行業界について調べると、基本的にはマイナスなイメージの記事が目に入ります。それは当然で、コロナ前から低金利による収益の減少が叫ばれるなど、基本的には業界に逆風が吹いているからです。
今日はそんな銀行業界下げムーブメントに一石を投じるが如く、銀行業界ないし銀行で勤めることのいいところを搾り出したいと思います。
目次
筆者の紹介
筆者は現役の銀行員で勤続10年です。職務上他行の行員と話す機会もありますので、今回の話は私が勤める銀行に限らない話ができるかと思います。
筆者については以下のプロフィールページもご参照ください。

銀行業界の逆風
まずは前提として、銀行業界に吹く逆風を紹介します。
低金利による収益減少
現在の日本は超低金利です。例えば三菱UFJ銀行の普通預金金利は0.001%。100万円を1年間預けても利息は10円にしかなりません(しかも10円に税金がかかります)。
低金利は資金を借りる側にとっては嬉しい面です。例えば私たちが住宅を購入する際に利用する住宅ローンは、変動金利で0.5% 以下となっていることもザラで、ネット銀行だと0.2%台の借入も可能です。
↑各行の住宅ローンの条件比較に便利なサイトはこちら
銀行にとっては融資金利という伝統的な収入源が低金利によって失われているのはとても痛いわけです。
人口減による貸出先の減少
現在の日本は年々人口が減少しています。人口減少により貸出先が減少し、収益減少につながっています。
AIの発展による業務の減少
銀行員の業務は一部、AIの発展により減少することが予想されます。一般的な窓口業務は自動化され、与信判断はAIによって行われることとなります。
業界全体の採用人数の減少
上述のように、業界に対して逆風が吹いていることもあり、昨今の銀行業界は採用を絞っています。
銀行業界のいいところ
銀行業界のアゲ記事を書くはずが、ぽろぽろぽろぽろサゲ要素が出てしまいました。しかし、ここからは銀行業界に勤めることのポジティブポイントを記載します。
お金や財務に精通する
やはりお金を取り扱う業務に携わるからこそ、お金に詳しくなります。銀行員は投資信託や保険を取り扱うこともありますし、決算書を見て企業の業績を分析する能力を身につけることができます。これらの知識や経験は自分自身の資産運用にも活かすことができますし、自身が起業や転職をする際にも活きてきます。
多くの経営者との接点が持てる
銀行の営業マンは、法人営業を担当する場合、若くから数多くの経営者との接点を持つことができます。自分は一担当者なのに、相手は経営者が出てきて会うことができるのは銀行員の一つの特色と言えます。
社会的信用が得られる
以前に比べて業界人気はなくなったものの、それでも一定の社会的信用は得られます。例えば地方銀行に就職した場合はその地方において一目置かれることとなります。
雇用が安定していて給与水準が比較的高い
デメリットのところで、採用人数が減少しているとお伝えしましたが、入社しさえすれば基本的には雇用が安定しています。また、ある程度年功序列で給与水準が上昇していきます。ただし最近は年功序列が薄れてきています。

おわりに
終身雇用がなくなっていく現代において、銀行業界のメリットである雇用の安定は失われつつあるかもしれませんが、銀行で身につけることができる財務の専門性などは、起業や転職をする際に役立つことは間違いありません。
この記事をご覧いただいた皆様は、ぜひ銀行業界にお越しください(笑)